(1998年10月6日から)

生活情報  韓国での生活が、どんなものか、思いつくまま、書いてみます。

1997.12〜1998.2 1998.3〜              
1.迷惑を掛け合うこと
2.国産品愛用運動
3.預金のセキュリティーは? 
4.簡単料理術
5.末代までの恥!
6.モムサル!
7.値上げが始まった!
8.テレビ
9.お見合い
10.パソコン通信
11.さくら /訂正
12.磁気カード追補1
13.公教育のクラス編成
14.日本の大衆文化の開放追補1
15.ガリ勉コリア
16.地方選挙
17.自律学習の中止
18.あてにならない束草空港
19.ケッペ
20.さい‘こ’まで

11.さくら

  韓国では慶尚道のほうでは、比較的、植民地時代(韓国では一般に「日帝時代」いl*チぇし+テ】)の日本語が残っていますが、その意味は、いろいろと変化しています。言語研究の一分野で「語彙論」というのがあるのですが、そこでいう「意味の拡大」「劣化」などの事例として研究するとおもしろいかもしれません。

  「さくら」も、その例にもれず、「親日派/政治家」の隠語として使われたり、「企業スパイ」の意味で使ったりするようです。
      後者は、「予め主催者が仕込んでおいた都合のいい観客」という、日本でもよく使う意味から派生したらしい。

  さて、韓国でも、「日本のにおいがする」と反発を受けながら、それなりに「花見」をする人たちもいます。釜山から少し西に行ったところにある鎮海チn(h)ぇ】は、さくら祭りで有名です。ただし、この軍港の都市が、もともと朝鮮侵略をめぐって行われた日露戦争で、東郷平八郎が日本海海戦に先だって基地として建設した軍港としてスタートしたことは、覚えておいていいでしょう。今は韓国海軍の基地になっていますが、そういう理由で、日本人が作った軍港だからさくらがたくさん植えられているのです。

  わたしは、個人的には、日本のさくらより、韓国のさくらが咲いている風景の方が好きです。理由は単純で、さくらが満開のところには、必ずその下にレンギョウケなり】が咲いているからです。桜色の花のしたに、鮮やかな黄色いレンギョウがあると、眼を奪われます。
  今年(1998年)は、3月15日ぐらいには開花するようですから、日本にいるみなさんも、学期休みに見にいらしたら、いかがですか。    top メール 感想 投稿 

 −−訂正−−


12.磁気カード

  束草は田舎なので、この欄のタイトルも、「韓国地方都市生活情報」としているのですが、今回は、せっかく釜山に行ったので、そこでみたことを書きます。

  ソウルとか、釜山に住んでいる方や、よく行かれる方にはもう、常識かもしれませんが、わたしは、バスや地下鉄に乗るときに使うカードを今回、始めてみました。あんなもの、日本でも見たことがありません。

  どんなカードかというと、ちょうどスーパーで買った物のバーコードを読みとり機にかけるみたいにして、バスに乗るときに、読みとり機のところにカードを持っていくと、それだけで料金が精算されるのです。カードを機械に入れる必要がなくて、ちょうど定期券を見せるように、機械の目(目の形はしていない。ただ、「ここですよ」という枠が書いてあるだけ)のところにカードをあてがうだけでよいのです。

  同行してくれた釜山在住の日本人によると、最近のバスの値上げの時から、釜山ではこのシステムが全面的に導入されたそうです。なんでも、財布からカードを出さずに、財布ごと機械にあてがうのがかっこいいそうで、実際見ていると、みんなそうしています。だから、田舎者のわたしは、最初のうち、見ていても何が起きているのかわかりませんでした。

  わたしが報告できる事実は、ここまでです。あと、もしかしたら前に来たときにもあったけど気がつかなかっただけなのかもしれませんが、同じシステムを地下鉄でも発見しました。

  「こんなことができるなんて、もしかしたらカードからすごい電磁波がでてたりするんじゃないの。今に、みんな癌になるよ」と、同行者に言ったのは、根拠があってのことではなくて、ただの負け惜しみです。でも、このシステム、東京なんかにもあるのでしょうか。より深くこのことについてご存じの方、下の発信装置でメールを送って知らせてください。
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追補1−

  上記の釜山在住の日本人の方から、さらにくわしい解説をいただきました。ここに転載させていただくとともに、感謝申し上げます。 (1998.3.23)


13.公教育のクラス編成

  日本語クラスを受講している高校生に聞いた話です。

  来週(1998.5.18)から、突然、高校のクラス編成が変わるのだそうです。

  どういうふうに変わるかというと、それまで、成績順に、成績のいい集団のクラスから、悪い集団のクラスまで作られていたのですが、来週から、平均クラスになるんだそうです。

  そういうことを決めているのは「教育庁」というところのようですが、これが道の機関なのか、市の機関なのか、よくわかりません。政府の考えが変わったということが前提にあるのでしょうが、なんで学期の途中であわててするのか、その高校生も不思議がっていました。

  韓国では、上の命令で、下が右往左往することはめずらしくないので、「いつものこと」と受け取られているのでしょうか。とにかく、不思議です。

  不思議なことは多くて、たとえば高校では希望者への補習が実質強制になっていて、一日12時間くらい授業をうけることもめずらしくないそうです。教師の時間外労働の賃金はどうなるのかとか、気になることが多いのですが、これもまだ調査中です。もう少しご存じの方がいらっしゃいましたら、お知らせください。
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14.日本の大衆文化の開放

  日本の大衆文化の開放問題については、他のコーナーでも、何回かとりあげてきました。

  この前も、KMTVが、放送局としてのこの問題への姿勢を示すべく、番組のコーナーで、賛否両論を紹介していました。賛否といっても、基本的には開放へと動くことを前提に、どんな準備をしていかなければならないか、というところに議論の中心は移っています。
  この番組では、「企画取材」とキャプションを入れたうえ、X−JAPANやTRFの映像を、日本語の歌詞が出る直前の前奏の部分だけ流していました。

  このひとつ前の記事のケースと比べると、なんともゆっくりとした動きです。韓国の物事の決め方のなかでは、こんなに議論だけが先行するのは、例外的に思えます。これは、大統領が右から左にものごとを動かすように決めるのではなく、世論の熟成を待とうとしているからなのでしょう。
  日本での韓国大衆文化の進出も、新たな段階を迎えつつあると思います。S.E.Sという、人気絶頂の女性アイドルグループも、5月の活動を中断し、6月からの活動の本拠を日本へ移すようです。韓国での日本大衆文化の流入への懸念は、それで韓国の大衆文化が押しつぶされてしまうのではないかという不安によるところが多いのですが、今や、「韓国語」がラップにのりやすいということが世界中で認められるようになり、韓国の大衆歌謡はアジア全域で通用するようになっています。制度的差別はないものの、制度外の障壁が多い日本の芸能界も、もっと開放的になることで、韓国の解禁論議もはずみがつくのではないでしょうか。
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追補1−

  日本在住の方から、感想をいただきました。ここに転載させていただくとともに、感謝申し上げます。 わたしは上の記事で「制度外の障壁」と書きましたが、こういうことを想定していたものです。
(1998.5.26)


15.ガリ勉コリア

  毎日、一番おそい9時20分のクラスにきている高校生のおんなのこから電話があって、「学校で勉強することになったのでこられない」とのことでした。

  韓国の高校生は、夜11時ごろまで学校で勉強することがめずらしくないことは、13の記事でもかいたけれども、わたしたちの「学院」の院長のはなしによると、これは、
勉強をさせるためというよりは、非行防止なのだといいます。

  まあ、これもある韓国人の意見ということで きいておいてもらいたいのですけれども、日本でも、「ゆとりの教育」と称してむりやり課外活動をさせて、こどもたちを 学校にとじこめたりしていますから、それとおなじようなものなのかもしれません。大局的にいえば、
まちのなかに こどものいられる場所をつくってこなかったこと、(こどもがまちにでると非行化するというのは、だから本末転倒の議論でしょう)そして、学校にとじこめておけば勉強するだろうという、おやの安易な期待がいっしょになって、このようなことになるのではないかとおもいます。

  しかし、これはかんじんの学習効果という点からみても、いい習慣だとはおもえません。学校に のこされて勉強するということで、すでに学習の主導権がうばわれているわけですから、主体的にまなぶということがひどくむずかしくなってしまうだろうからです。
  わたしたちの「学院」の院長の意見では、
「だから外国に留学すると、韓国人が一番勉強ができない」ということです。その真偽は別にしても、かれの意見によると「普段から、ひとりで勉強することになれていないから、時間を自由につかうことがゆるされると、自分で学習を管理していくことができなくなる」からなのだそうです。それで、学習方法を指示してくれる教師やクラスのボスがいないので、「カンニングをしたりする」そうです。

  これは、もちろんすべてにあてはまる見解ではありませんけれども、留学経験のある韓国人みずからのことばとしてのおもみがあります。そういえば、日本でおしえていたとき、韓国人だけは放課後のあき教室で集団で勉強していたりしたものです。それから、日本にきて急にはめをはずしたり、自分のくにで、そんなことはしないだろうとおもえるひとが、不正行為をしたりすることがありました。この意見については、もっと事例をあつめて研究する価値があるかもしれません。それに、海外でまなぶ日本人はどうなのか心配です。

  みなさんのご意見をお待ちしています。
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−追補− の記事は続編があります。17.をみてください。


16.地方選挙

  6月4日投票の地方選挙のために、今、街は騒然としています。韓国では地方自治が復活したばかりで、たぶん、再開後2回目の全国いっせいの地方選挙になると思いますが、大統領選挙の時には、この田舎町ではなにもおこらなかったのに、今回はいく先々で選挙運動員の姿を見ます。

  束草では、市長と江原道知事と道議会議員の選挙が同時に行われているので、だれがなにに立候補しているのかもよくわからなくなりますが、それがいりまじって、候補者番号をいんしょうづけようと必死になっています。投票は記号か番号ですることになるので、運動員は、手袋に数字を書いて、番号の数だけ指を出して手をふっていたりします。

  きのうのニュースでは、ある陣営の候補が対立候補の運動員を買収しようとして、逮捕されていました。ソウルやウルサンでは、民主労総のストや集会が引き続き行われていますが、ここ、束草では、とにかく選挙運動一色です。
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17.「自律学習」の中止

  15.ガリ勉コリア で書いた「自律学習」が、6月から中止になったようです。

  これで、高校生は、早く家に帰り、「学院」にも きやすくなるのではと、わが「学院」の経営者は期待しました。その成果は、期待ほどではなかったですけれども、すこしずつ、「余暇」を語学学習にあてる高校生が あらわれてきています。

  たぶん、英語会話ですら、高校の正規の授業からみれば、すぐに成績アップにむすびつくようなものではないでしょう。でも、学校から自由になることから、自分のすきなことを勉強して、特技をみにつける若ものが ふえるのは、いいことなのではないでしょうか。

  でも、こんどから わたしのクラスにはいってきた 女子高校生は、はじめて日本語を勉強するというのに、なにをいっても反応がないし、コーラス(教師のいったとおりくりかえすこと)さえ、蚊の鳴くような声でしか しようとしません。親にいわれて きたのかなあ。何をかんがえているのか よくわかりません。

  かとおもうと、別のクラスの高校2年生の男子は、独学だというのに、留学生でも6か月ぐらい日本にいる人ぐらいの実力があります。ファミコンゲームにでてくる日本語に興味があって、……というのが、学習の動機だそうですが、それだけで そこまでやるかなあ。それこそ、「ほかの勉強そっちのけ」で、高校の授業に関係ないことをしていることになるのですが。
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18.あてにならない束草空港

  束草を称して「地の果て」といった人もいましたが、条件さえよければ、そんなにとおいところではありません。現に、わたしは6月22日の月曜日、朝9時半に福岡空港にいって、昼2時には職場にもどっていました。

  あてにならないのは、束草空港の発着便がいつ、欠航になるかわからないことです。20日の土曜日わたしは朝8時半の飛行機にのるはずでした。天気もよかったし、小さな空港なので10分前にいってものれるから便利だなどと考えて、空港に行くと、なんと「欠航」の表示がでているではありませんか。

  なんでも、早朝、霧がでていたそうです。その時点では霧なんかなかったんですけどね。

  束草空港には、大韓航空しか のりいれていません。なにがあろうと、大韓航空のいいなりにするしかありません。わたしは、予約していたソウル−福岡便にはのれないことになりました。束草−ソウルの国内線は、10時にのれることになりましたが、大韓航空の次のソウル−福岡便は午後6時半発です。
大韓航空のカウンターしかないので、とりあえずその便に予約をふりかえてもらい、ソウルへいくことにしました。

  ソウルのキンポ空港で、日本航空のカウンターにいくと、11時50分の福岡便にのれることがわかりました。でも、大韓航空のチケットが割引券(たまたまその期間、大韓航空が割り引きキャンペーン中だったのです。すすめられるままやすくかって、いざとなると、他社便にかえられなくなっていたのです)だったので、日本航空のチケットをかいなおし、時間がぎりぎりだったので、はらいもどしも、両替もするひまもなく、福岡への飛行機にのりました。

  福岡について、大韓航空のチケットを払い戻そうとしましたが、韓国で発券されたものは日本で払い戻せないと、拒否されてしまいました。これは通貨の問題もからんでいるのかもしれません。そのうえ22日に福岡から帰るときも、行きのチケットが使用されていないので帰りのチケットから使用することができないといわれ、いったん予約をキャンセルし、さらに、ふたたび同じ便のチケットを日本円で買わされるはめにおちいったのです。クレジットカードがなかったら、円を使い切っていた(そもそもソウルで両替するひまがなかった)わたしは、帰れなくなっているところでした。払い戻しは、キンポ空港でさえも、「束草で買ったのなら束草で払い戻ししたほうが早く処理できる」などといわれ、結局わたしは、次に福岡に行くときのためにチケットを持っておくことにしました。

  これら、窓口のひとたちは通常の対応をしているだけなのだということはわかりますが、すべては、最初の束草−ソウル便が欠航になったためなのです。同じ大韓航空の職員でも、そのことに気づいて責任を感じる人は、当然のことながら、皆無でした。

  ソウル−束草間の飛行機では、「大韓航空を選んでいただき、ありがとうございます」と、英語でアナウンスがありますが、人をくったはなしとは、このことです。大韓航空しか選択の余地がないのですから。土曜の朝、わたしと同じ便にのってソウルに行く予定だったオーストラリア人の同僚は、その日、おこって、帰りの飛行機をその場で払い戻し、バスで帰ってきました。

  わたしは、……いつものように、「そんなもんさ」と納得することで、ココロの秩序を保つことにしたのでした。 top メール 感想 投稿 


19.ケッペ

  ソクチョ(束草)の名物に ケッペケt*ぺ】というものがあります。これは、わたしぶねのことです。

  ソクチョは海につながる ふたつの みずうみにはさまれたところに市内があるのですが、この みずうみの 市内からみて対岸にあたるところから、でぐちにむけて うみをかくすように にょきっと 数キロにわたって のびている突堤とのあいだに、わたしぶねがあるのです。この距離が200メートルぐらいしかありませんが、陸づたいにいくと、くるまでも 15分ぐらいは かかってしまうのです。

  この わたしぶねのなまえが ケッペケt*ぺ】です。“はまべの ふね”というような意味ですが、これの おもしろいところは、のるひとが ロープに かなぐをひっかけて、自分でそれをひいて ふねをすすめるのです。ふねの中央を横断して、両岸にロープがはってあって、それをひくことで、ふねが すすむというわけです。

  わたしも やってみましたが、ふねの はしにきたところで かなぐをはずすのに失敗して、反動で うみに おちそうになりました。ふねの前後には のりおりのときのために さくをつけていないので ちょっと こわいですが、おもしろいです。

  ちなみに料金は 片みち150ウォン(15円ぐらい)です。

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20.さい‘こ’まで

  .も+.キょk`た~】(銭湯)に いって、わたしは、メがテンになった。

  20歳ぐらいの 男性(ふろで あったのだから、あたりまえか……)が、はだかで とおりすぎるとき、めのまえに きた せなかに、ひらがなが みえたのである。

さ い こ ま で    

と、かいてあった。

  これは、いったい、なんであろうか。ちょっと、はなしかける勇気はなかった。だが、ヤクザのような こわい おニーサンには、みえない。それに、ひらがなが、まちがっている。だから、日本人ということは、ないだろうと 想像できる。それにしても、「さいこ(ご)まで」とは、いかなる呪文? 

  日本で ひとびとが きる Tシャツに かかれている めちゃくちゃな 英語に つい めが いってしまう、英語圏出身の在留者の きもちが、 すこしだけ わかったような かんじだ。でも、よりによって、なんで、「ひらがな」? なんで、「日本語」? この おとこ、そんなに 日本が すきなのか? 

  この はなしを よるの授業でしてみると、 ある受講生が、「おれも おなじ ようなのを みた」とのことである。ハッケンゲンバは、ちがう .も+.キょk`た~】だが、同一人物の可能性も すてがたい。それとも、ひそかに 韓国で このような文字を せなかに かくのが 流行しているのか。

  この受講生によると、ヤクザなんかで、そんなことをするのが、いるという。韓国人に なじみのない、ひらがななんかで かくほうが、おまじないのようで、神秘的な効果が みこめるらしい。でも、日本人には 通用しないだろうなあ、この おまじない。「あー、テンテンが ないよー」って、わらわれてしまいそうだ。(これには、わたしのクラスの受講生たちも つられて わらってしまった。)
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